三次元を征する職人の技。チェッカード・ツイストが導く螺旋階段。

ロートアイアンの螺旋(らせん)階段の手摺です。吹き抜け部から
螺旋の美学を、一本の親柱に凝縮する。チェッカード・ツイストと捻り笠木が奏でるハンドレール。

住まいの中心で芸術的な存在感を放つ螺旋階段。
今回は、技術の粋を尽くした特注の螺旋階段手摺をご紹介します。

■ 掌に吸い付く「捻り」の造形

笠木(持ち手)にはFBではなく、重厚な「角鋼」を採用。階段のRと勾配に合わせて三次元的に捻りを加えることで、常に平らな面が真上を向くよう製作しています。全面に施した叩き加工(ハンマートーン)と相まって、極上の握り心地と安全性を実現しました。

ロートアイアン螺旋階段手摺 / ロートアイアン吹抜部手摺
ロートアイアンの螺旋(らせん)階段の手摺です。2階から

ロートアイアンの螺旋(らせん)階段の手摺です。ヨーロッパに古くから伝わる技法で柱をつくりました。1階から
■ 空間を格上げする「チェッカード・ツイスト」

手摺の起点となる親柱には、熟練の鍛造技術を要する「チェッカード・ツイスト」を施しました。
この加工は、「チェッカード・ツイスト(Checkered Twist)」、または「ノッチド・ツイスト(Notched Twist)」と呼ばれます。日本ではその見た目から「松笠(まつかさ)加工」や「パイナップル・ツイスト」と表現されることもあります。

角鋼を美しく捻り、市松模様のような緻密な陰影を刻み込むこの意匠は、ロートアイアンならではの気品と力強さの象徴。触れるたび、見るたびに、オーダーメイドの誇りを感じさせてくれます。

■ヨーロッパにおける歴史

この技法は、17世紀から18世紀のバロック様式やロココ様式の時代に、より豪華で複雑なアイアンワークを求める貴族たちの要望に応える形で発展しました。
 
光の乱反射: プレーンなツイストよりも面が多いため、ロウソクやシャンデリアの光を複雑に反射させ、鉄を宝石のように見せる効果がありました。
 
マスターピース(傑作): この加工は、切り欠きの深さや間隔が少しでも狂うと、ねじった時に模様が崩れてしまいます。そのため、この柱を作れることは「一流の鍛冶職人(マスター・ブラックスミス)」であることの証明でもありました。

■ヨーロッパの伝統的な文様を施した手摺の柱

日本に伝わっているロートアイアンは商業的に受け入れられやすいものが多いことからまだまだ知られていないデザインや技法がたくさんあります。
当社がスペインやカタルーニャの方々と技術交流を進める一つの理由として、そのデザインが何を目的にどうやって生まれたのかを学び、伝えていくこと。ロートアイアンに関わるものにとって伝え、残していくことが大切だと考えています。

ロートアイアン螺旋階段手摺 / ロートアイアン吹抜部手摺
ロートアイアンの螺旋(らせん)階段とあわせて笠木でつないだ吹き抜け部の手摺です。

ロートアイアンの螺旋(らせん)階段の手摺です。現地にあわせて加工します。

■ 妥協のない「引き算」の納まり

階段との接合部には、ブラケット板を使用しない特殊な取付方法を選択。縦基調の美しいラインを邪魔する要素を削ぎ落とし、足元までスッキリと気高く。設計者様の緻密なプランニングと、施主様のこだわりが、アイアンの技術によってひとつに結ばれた作品です。


施主様のご依頼に応える設計とそれをかたちにする技術。
螺旋の昇降を、一生ものの感動へ。

ロートアイアン螺旋階段手摺 / ロートアイアン吹抜部手摺

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