照明カバー

ちょろちょろと流れる水の音。  そして音とともに揺れる光。
安らぎの中にも凛となる『こんな空間があったらい~な』と思う中庭を設計されたのは山本庭園。水と光を巧みに扱う。

当初はステンレスのオブジェに水と光を絡ませた提案内容だったが、打ち合わせを重ねていく中で『鉄』という素材があがりました。鉄と水、錆びないの?と考えるのが一般的な考えです。

少しだけ技術的な話をします。日本の気候で鉄は錆びませんとは言えませんが防錆の技術は大きく進歩しています。
当社でも採用していた溶かした亜鉛メッキに付け込んで鉄をメッキで覆ってしまう方法(通称ドブ付け)が今でも代表的な防錆方法ですが今回は溶射(ヨウシャ)(亜鉛とアルミをプラズマで溶かして吹き付ける方法)をとりました。
ドブ付けに比べて出来上がった製品に強い熱を加えることがないので歪みにくいのが特徴です。
室内の階段手摺や螺旋階段は熱による歪みは命取りです。数ミリの誤差で取りつかなくなってしまいます。

今回、溶射(ヨウシャ)を選択した一番の理由は溶射を施した鉄の表面が美しいからです。
細かい粒子が吹きつけられた表面に塗装を施すと鉄はウェットでありながら艶の消えたマットな状態になります。
その空間に癒しを感じるのは、自然な質感が主張しすぎないからなのではと考えています。
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