ロートアイアンとは Our Quality
ロートアイアン Wrought Iron
日本語で「鍛鉄(たんてつ)」と呼ばれるこの技術は、ヨーロッパで生まれ育まれてきた永い伝統を持っています。
ナルディックは、1986年にドイツの職人との出会いからロートアイアンの歴史をスタートさせました。
そして、ロートアイアンの歴史から多くを学び技術を磨き日本の生活様式にあうようにデザインを発展させてきました。
ナルディックは、1986年にドイツの職人との出会いからロートアイアンの歴史をスタートさせました。
そして、ロートアイアンの歴史から多くを学び技術を磨き日本の生活様式にあうようにデザインを発展させてきました。
近年ではスペインのバルセロナ、マドリード、カタルーニャの作家や鍛造職人、アーティストとの交流をはかり、多くのことを学び、独自の技術やデザインを進化させることを続けています。
ナルディックの製品はヨーロッパのロートアイアンの職人から学んだ匠の技と、日本の「鍛冶屋」の伝統の技術力を活かした滋賀県草津でつくられる国産ロートアイアンです。
ロートアイアンには、職人達の丹精を込めた手仕事によってこそ生まれる味わい深さがあります。
職人がパーツひとつひとつを研ぎ澄まされた「手の感覚」で作り上げていきます。
私たちは、鋳物や大量生産のものではなく、ロートアイアンの「本物」だけが持つ味わいがお客様に永く愛され続けることを願って、日々モノ造りをしています。
Thoughtful Handicraft ―真心を込めた手造り―
それが、私たちの信念です。
ロートアイアンとは
1.伝統と技術
ロートアイアンとは、ヨーロッパで生まれた鍛鉄技術です。
鍛冶場や鍛冶の炉の意味からForge(フォージ)と呼ばれ、愛されてきました。
古くはローマ時代まで歴史を遡る伝統を持っています。
日本語では「鍛鉄(たんてつ)」と呼ばれます。
「鉄」は「村の野鍛冶」という童謡があるように大工道具や農具・漁具として日本人の生活や文化と深いつながりがあります。
ロートアイアンは、明治の中後期に西洋建築と共に、装飾美と機能を兼ね合わせた門扉や手摺、フェンスなどが日本の建築に取り入れられました。
私たちはこの技術に敬称をこめて「ロートアイアン」と呼んで技術を育ててきました。
ロートアイアンはヨーロッパの石と鉄の文化から、木と紙の日本独自の文化の中で
生活様式の変貌と共に発展を遂げてきたといっても過言ではありません。
ロートアイアンはヨーロッパの石と鉄の文化から、木と紙の日本独自の文化の中で
生活様式の変貌と共に発展を遂げてきたといっても過言ではありません。
2.炉と鎚
炉と鎚はロートアイアンにおいて炉は必要不可欠な加工設備です。
炉では燃え盛るコークスがうなりをあげて鉄を熱していきます。
これを「火床(ほど)」といいます。
ゆっくりと赤みを帯び始める鉄は火床で生を受け、職人のふるう鎚(つち)さばきで、
みるみるその姿を変え、美術鍛造品として生まれ変わります。
鎚は炉と切り離すことのできない工具です。
炉から取り出した赤みを帯びた鉄は瞬く間に冷え始めます。
叩くべき箇所を見定め、力を加減しながら加工するには熟練の技が必要です。
熟達した職人であればあるほど、より少ない時間で加工ができます。
今日も現場から鉄に魅了された職人の火のような情熱と鎚の音が伝わってきます。
3.手曲げ
優雅に彎曲(わんきょく)する曲げ加工はロートアイアンの魅力のひとつです。
パーツのひとつひとつが繊細に、時に大胆に曲がりくねる様は豊麗な曲線美といえます。
細く薄い部材は冷間でも曲げることができます。
しかし分厚く太い部材の場合、炉で熱して少しずつ曲げていきます。
C曲げやS曲げをする前には、先端が広がり美しいラインを描くよう、
「タタキ」「ツブシ」という作業を施します。
手曲げは時間のかかる作業ですが、それだけに仕上りの美しさを決定付けます。
CADデータを基に加工したパーツでも、最後は職人の経験で微調整していきます。
無垢鉄は硬くしなやかな性質です。
他の金属と比べて「人に優しい」のだと職人は言います。
4.表面加工と叩き
表面加工を加え素材に豊かな表情を与えるのが、ロートアイアンの大きな特徴の一つです。
刻印したり、溝を彫ったり、切り込みを入れたりと、平らな表面に装飾を施します。
ロートアイアンで最も多く使われる「バンド」には、ほとんどの場合表面加工が入ります。
「バンド」は文字通り部材に巻きつけて装飾することからそのように呼ばれます。
表面加工の1種である「叩き」は、熱した鉄を型にあてて
ハンマーで叩き、潰し、ハンマーの形状で表面に文様を付けたりします。
鉄を加工するうえで最も時間がかかるのが表面加工です。
加工によりゆがんだ無垢鉄の表面を整える「ナオシ」の工程が必要なためです。
最終の出来栄えに大きく関わるこの作業の間、職人は集中のあまり目つきがかわります。
5.ひねりとバスケットツイスト
ひねりは、ロートアイアン特有の加工技術です。
通常の曲げが横軸に曲げるのに対し、ひねりは縦軸に曲げます。
螺旋状で見た目が美しく、上品に仕上がります。
「バスケットツイスト」はひねりを応用したもので、造り方も様々です。
ひねりは、表面加工を施した部材に併用すると更に表情が変わります。
部材も角鋼(断面が正四角形)とフラットバー(断面が長方形)とでは表情が異なります。
縄のように丸鋼を何本かつなぎ合わせてひねると、まるで編んだような仕上がりに。
ひねりは使い方によって惚れ惚れするほどの美しさを感じさせてくれます。
6.溶接と組み立て
ロートアイアン製作のほとんどはパーツ造りです。
各パーツをつなぐ手段は用途によって異なり、大きくは溶接と組み立てに分類されます。
溶接のなかでも最も古く貴重な方法が「加熱溶接」です。
熱した鉄同士を叩きながら溶接するこの方法です。
ですが、経済的理由から現在ではガス溶接と電気溶接が一般的になっています。
交換や取り外しが必要な場合には組み立て式を採用します。
ロートアイアンは無垢鉄を使うため重く、組み立てる場合はネジ式がほとんどです。
施工も同様で、自立させる場合は地中に埋め込むかアンカーボルトで留め、
壁面につける場合はタッピングビスや壁に埋め込むことになります。
壁面につける場合はタッピングビスや壁に埋め込むことになります。
7.古美仕上げ
メッキ・塗装工程を経た作品は、真新しく味がありません。
使い込む(経年)ことによって味わいがうまれます。
そこで「古美仕上げ」を施し、質感を高めます。
そうすることで、落ち着きのあるロートアイアン独特の味わいを醸し出します。
その技術的な要素から「アンティーク古美仕上げ」と呼んでいます。
古美仕上げを構成する4種類の色
-
シルバー
アイアンらしい表情になる最もポピュラーな仕上げ色 -
グリーン
緑青色に近く、周囲の植栽によくなじみ飽きのこない色 -
ブロンズ
銅色に近く少し赤みがかった色あいで、素朴な表情の人気色 -
ゴールド
グリーンとあわせて、部分的にコントラストをつける色
コーナー部分に強めにいれてフォルムを強調したり、ぼかしたり、古美仕上げが作品の良し悪しを決めるといっても過言ではありません。
ナルディックでは、風格のある作品にするため、熟達した職人が細部までこだわって最終の表面仕上げをしています。
8.ロートアイアンの未来 Japanesuque
欧米化、西洋化される日本の生活様式や文化。近年、新しい視点で日本の文化を見直すことが強く叫ばれています。
ヨーロッパの石の建築文化に深く根付いてきた鉄の装具ロートアイアンは風土も文化も違う日本でこれからどう変わっていくのでしょうか。
鉄という素材にふりかえった時にふと気付かされることがあります。 かつて日本にはたくさんの鍛冶屋が存在していました。木造建築をつくる傍らで必要な金物をその場であわせてつくることが出来るほどの多くの鍛冶職人がいたそうです。また野鍛冶といわれる鍛冶職人は農器具を使う人の背格好や年齢、癖にあわせて鉄を鍛えなおすことが出来たそうです。現在の教科書には載っていませんが『村の鍛冶屋』という童謡があります。この歌の主人公は武勇のための兵器(刀鍛冶)ではなく民が平和時に生産に励むための農器具を鍛える鍛冶職人でした。日本だけでなく世界の歴史上で発達してきた鉄の加工技術は決して戦争などによる兵器の発達だけではなく深く生活に根付いたものだったのです。その上で装具として親しまれてきたロートアイアンはそのものがもつ機能だけではなく、住まい手や使い手のアイデンテティーを示すものだったのかもしれません。
日本人の私達が造る現代の生活様式にあわせた『ロートアイアン』はもしかしたら10年後には『ロートアイアン』とは呼ばれていないかもしれません。ただ村の鍛冶屋ではありませんが、住まい手と使い手のアイデンテティーになれるものを造れるように、先人によって培われてきた鉄の伝統と技術、そして日本の文化に畏敬の念と感謝の心を持って取り組むこと。
『造り続ける』ことが私達に課せられた使命です。
写真は鍛造の床の間 設計 出江建築事務所 施工 株式会社ナルディック
鉄という素材にふりかえった時にふと気付かされることがあります。 かつて日本にはたくさんの鍛冶屋が存在していました。木造建築をつくる傍らで必要な金物をその場であわせてつくることが出来るほどの多くの鍛冶職人がいたそうです。また野鍛冶といわれる鍛冶職人は農器具を使う人の背格好や年齢、癖にあわせて鉄を鍛えなおすことが出来たそうです。現在の教科書には載っていませんが『村の鍛冶屋』という童謡があります。この歌の主人公は武勇のための兵器(刀鍛冶)ではなく民が平和時に生産に励むための農器具を鍛える鍛冶職人でした。日本だけでなく世界の歴史上で発達してきた鉄の加工技術は決して戦争などによる兵器の発達だけではなく深く生活に根付いたものだったのです。その上で装具として親しまれてきたロートアイアンはそのものがもつ機能だけではなく、住まい手や使い手のアイデンテティーを示すものだったのかもしれません。
日本人の私達が造る現代の生活様式にあわせた『ロートアイアン』はもしかしたら10年後には『ロートアイアン』とは呼ばれていないかもしれません。ただ村の鍛冶屋ではありませんが、住まい手と使い手のアイデンテティーになれるものを造れるように、先人によって培われてきた鉄の伝統と技術、そして日本の文化に畏敬の念と感謝の心を持って取り組むこと。
『造り続ける』ことが私達に課せられた使命です。
写真は鍛造の床の間 設計 出江建築事務所 施工 株式会社ナルディック